コアネットワーク

「柴田昌治の変革する哲学」(日経ビジネス人文庫)を読了。
これは使える。                              
・なぜ会社は変われないのか
そもそもお互いによほど意識的に努力しないと、必然的に壁をつくり合い、非協力的になるのが組織であり、人間というもの。
さらに行き過ぎた「保険仕事」も組織の生産性低下の大きな要因。結果、問題解決のサイクルが回らなくなっている。
問題解決のサイクルが内発的動機で回っていく度合いが大きい組織ほど、進化していきやすい。
全社活性化運動の類から出てくるさまざまなプランは、多くの場合、経営トップに提言することが目的になりがち。その中身も制度や組織行動、設備といったハード型提案がほとんど。このようなプロジェクトの議論は、あらかじめいろいろな枠が制約条件としてはめられている場合が多く、問題を核心へと深めていくような議論自体が行いにくい。
方法論は「全社一斉・上からの指示」から抜け出せておらず、必然的に「やらせる側の推進室」と「やらされる側の社員」という対立構造ができあがる。
・ではどうしたらよいのか
一番大きな問題は、人間の持つ自主性をどうやって引き出していくか。そこで「コアネットワーク」という概念。コアネットワークの役割は、「思い」と「エネルギー」のある人がお互いに協力しあいながら、自分たちの問題を自分たちで自主的に解決していく能力、自発的な問題解決のサイクルを回していく力を、
企業の中のそれぞれの部署、部門に育んでいくこと。
大切なコンセプトは、「会社のために人間があるのではなく、人間のために会社がある」ということ。
・キーコンセプトと具体的方法論
「コアネットワーク」「スポンサー」「世話人」「プロセスデザイン」などがキーコンセプト。作り方や注意点の詳細が語られる。

まるで今の職場のための教科書のような本だと感じ入った。
実際にほぼ「全社的なプロジェクト」が、小生が事務局の中心として立ち上がろうとしており、「人間を視点の中心に据えた具体論が飛び交うプロジェクト」になんとしてでもしていきたい。