生まれて初めての内視鏡検査

会社の定期健康診断で小さなポリープがあると言われ、生まれて初めて胃部内視鏡検査を受けに、目黒にある某病院に行ってきました。
3階建てのそこそこ大きい総合病院風に着いたのが9時10分。そこで受付をして待つこと20分、待合コーナーに通され、そこに貼ってあった鼻からの内視鏡検査が最近評判が良いという新聞記事の抜粋をじっと読んでいると、看護婦さんが「それを読むと鼻の方がいいと思うよね。鼻にしますか」と聞いてくれて、「ぜひお願いします」と答える。
実は会社の医者からはこの位置だと鼻からは難しいかも、と言われていて、正直口はいやだなと思っていたところ。ベットのある検診スペースに移った後、左右の鼻の大きさを確認するため、棒のようなものを突っ込まれ、左の方がやや広いと分かり、左の鼻に何やら液体を入れられる。通りをよくするのと、麻酔らしい。
おもむろに男性医師が現れ、痛かったら言って下さいね、とやさしく声を掛けられながら、細い管を左の鼻からゆっくり挿入していく。痛みもあまり感じずに、喉の部分を通る際にはやや違和感もあったが、無事胃部にたどりついた様子。怖くて目をつぶっていたが、おっかなびっくり目を開けると、モニターに小生の胃の内部が写っている。くっきりと、すこしグロテスク。白いコブ状のポリープがはっきりと写っており、「これですね。取って調べましょう」と医者が言い、管にさらに小さな棒を入れたかと思うと、ポリープに近づき、一部を切り取った。そのあと、ゆっくりと管を取り、その間およそ10分程度。こうして生まれて初めての内視鏡検査は、痛みも無く無事に終了した。
検査結果は1週間程度で出るという。その後、カットした胃の部分の保護のため、緑色のドロっとした液体をコップ一杯飲み、30分ほどは飲み食い控え、今晩は酒を控えるように言われ、病院を後にした。
胃の内部を見たときには、以前生まれて初めて飛行機に乗り、ロンドンへ行く途中、飛行機からシベリヤ雪原を見て、こんな光景は飛行機がなけりゃ絶対見れなかったなと思ったのと同じ感慨を受けた。自分の胃の内部を自分で見れるなどとは、ミクロの決死圏などの映画の世界だったはずで、科学の進歩を実際自分の目で実感した瞬間であった。
その夜、商社との宴席をスキップさせてもらい、早めに家に帰る。家族と食事をした後、家内が昇進祝いにとケーキを買ってくれて、皆で食べる。
健康でいることの喜びを感じ、結果が問題ないことを祈りつつ、就寝につくのであった。