上野動物園に行く

今日は息子と上野動物園に行く。以前いつ来たのか定かじゃないほど久しぶり。土曜日のまあまあの天気とあって結構混んでいる。
さすがは日本一の動物園だけあって、動物の種類、広さ、設備とも素晴らしく、東園、西園、そして両生爬虫類館と、4時間掛けてすみずみまで楽しみつつ、昨年行った旭山動物園を思いながら感慨にふける。
上野動物園は、昨年ジャイアントパンダが死んで不在となった影響もあってか、08年度の入場者数が289万人と、依然日本一ながら60年振りに300万人を割り込んだとのこと。ピーク時の74年には760万人も入っていたという。
一方旭山動物園は、昨年度276万人と前年比では減ったが、最低を記録した96年度の26万人からは10倍以上、上野動物園との差はわずかに4%、ほぼ肩を並べている。
この2つの動物園の動物の種類や設備、広さなどのハード、財政基盤(方や東京都、方や旭川市)、そして都心のど真ん中と北海道の一地方都市というロケーションを考えた時、旭山動物園上野動物園と入場者数がほぼ一緒というのは、奇跡といえる。 
動物の見せ方というソフト、動物園の今日的存在意義を考え抜き、自然に近い動物の姿を人間に見せることの想い、志が、圧倒的な経営資源の不足を克服しているということだろう。
また上野動物園側から見たイノベーションのジレンマ的なこともあるだろう。大手企業は、リスクが高いような新技術(破壊的イノベーション)を推進することは、合理的でないため取れなくなる。
旭山の規模ゆえに、小菅園長の冒険的な行動展示といったイノベーションが起こせた側面もあるだろう。
マスメディアの影響も大きい。正直、何の先入観も持たず、両方の動物園に行ってどっちにまた来たいかと問われたら、上野と言っても不思議ではない気がする。マスメディア戦略も含めた旭山のソフトの知恵、戦略、執念の成せる業と言える。
事業や人生にも当てはまる視点だろう。志、情熱、そして知恵を絞ればどんな不利でも克服できると思いたいものだ。
とても有意義な土曜日の1日でありました。