中小企業診断士の勧め

今年の振返りとして、最大のイベントは、中小企業診断士への挑戦、そして合格である。今回と次回、この資格を求めた理由、背景、そしてストレート合格できた要因について、特に40歳代後半の立ち位置、強み弱みを意識してまとめたい。
今回は、小生の中小企業診断士を目指した理由、背景などを踏まえて、この資格を同年代のサラリーマンにお勧めすること。
サラリーマンを20数年もやってくると、いろいろ考え出す。自分の専門は何なのだろう、それは会社をリタイアしても役に立つのか。通常のサラリーマンは総合職のジェネラリストとして、一つの会社で過ごしているので、これらの問いに対する回答はネガティブなものが多い。
小生も製造業のマーケティング、海外展開の2つを意識してキャリアを過ごしてきたものの、所詮特殊な業界の一企業のなかの話であり、上記問いには自信を持って答えられない。
そこで診断士資格である。40歳代後半のサラリーマンにお勧めする理由は、会社員生活の経験が活かせるし、これからも役立つということである。
診断士の1次試験科目は7科目と多い。しかし何らかの形で会社生活で多少なりとも接点があった科目である可能性が高い。
企業経営理論。これは経営戦略、組織、マーケティングの3つで構成されるが、濃淡はあれ、会社員を何年もやっていれば土地勘があり、これらを基礎から学ぶのは苦にならない。
運営管理。これは生産管理と店舗運営の2つからなるが、メーカーであれば前者、小売や流通であれば後者は、基本であろう。
財務会計。これは営業系のサラリーマンはちと頭が痛いが、逆にこの機会に取り組んでみようと思える科目。日経を毎日読んでいれば、関連記事が満載で、すくなくとも用語には親しみがあるはず。しかも会計士や税理士ではないので、計算も含め、それほど専門的な知識が要求されるわけではない。
経済学も財務会計と同じで、出社が楽しくなる経済学が流行るように、問題意識がある会社員は多い。足下の経済金融危機などは恰好の題材である。
経営法務、経営情報システムは、比較的接点の少ない科目であるが、会社法金融商品取引法知的財産権、IT、クラウドコンピューティング等、最近の関心事にどれかは入っているのでは。
最後の中小企業政策は、試験としては暗記中心なれど、中小企業の概況や国の各種支援策を学ぶもので、診断士志望者としては興味深い内容である。
ということで、これらの科目を学ぶことは、これまでの会社生活の知識の棚卸、新たな知識の補充と言う意味で、ただ単に資格試験のための勉強というものを超えた価値、すなわち仕事で活用できる情報や知識、知恵を与えてくれるはずである。
さらに言えば、一応国家資格であり、結構難しい試験であることで、挑戦意欲がかき立てられる。
では40歳代後半のサラリーマンの勉強戦略をどうするか、次回に続く。