三枝氏のスピリット

ターンアラウンドスペシャリスト、三枝匡氏の文庫本3部作を再読了。
「戦略プロフェッショナル」
「経営パワーの危機」  
「V字回復の経営」
                                 
いずれも数年前に読んでいたが、5月のセミナーでご本人に初めてお会いして、その迫力に感銘したこと、さらに自分自身の経営や戦略に携わる局面も増えていることから、再び読み始めていた。
これまで、小職が印象に残っていた経営ビジネス書と違い、実践的なストーリー展開のリーダー論、経営戦略、事業戦略構築、実践本で、何よりも日本企業の中間ミドル向けに鮮明なメッセージが織り込まれている。「V字回復の経営」のあとがきに曰く
                                    
企業の明日は、会社の内部で働いている人々次第で決まる。日本企業の強みは社員の平均点の高さだ。社員をクビにすることで利益性を上げるのではなく、「その会社に今いる人々」が強いリーダーの下で戦略ストーリーを共有し、心を一つに合わせて頑張れば、日本企業はとてつもない強みを発揮する余地を残している。それが、本書の最大のメッセージである。
                                   
リーダーの熱い志、冷徹な現状分析、戦略シナリオ、愚直な実行、死の谷を渡る、などなど。手に汗握る場面が多くちりばめられ、読み物としても、実践的な経営書、リーダーシップ論としても読みこたえ満点である。
それにしても、自分自身や会社にとって耳が痛くなるような指摘が随所に。
もっともっと考えて、戦略を練りこむこと、それを内外の協力者を巻き込んで愚直に、信じ切って実行していくこと。
収益責任を負ってない者は経営マインドを持つことはできない…
現在取り組んでいるプロジェクトに多く応用できる示唆に富み、活用していきたい。