翔ぶが如く

一昨日の土曜日、司馬遼太郎の『翔ぶが如く』全10巻を読了、12月末から読み始めたので、ほぼ40日掛かった。


明治維新後の10年間で、これほどの社会的緊張と激動、そして近代日本の国家の原型を作ったドラマがあったとは。日本というものを、個々人の人物と想い、土地土地の風土、文化の匂いから鮮やかに描写するストーリー展開に、いつもながら魅了された。
これまであまり馴染みのなかった明治維新元勲たちの人物像、そして九州という土地が、とても身近になった。
最後に暗殺された大久保利通は、49歳でいまの俺と同じ年齢。この明治維新後の近代国家創業のリーダーとは比べようもないけど、新たな世界に入ろうとしている俺の事業で、俺なりに奮起せねばという想いは換気された。また彼の権謀術数的マキュアベリ的な考え方、行動様式には感銘を受けた。
それにしても長い(苦笑)。あっちに飛んだり、こっちに脱線したり、何度も同じ描写が繰り返されたりの展開は、まさに『翔ぶが如く』でもありました。