スティーブ・ジョブズ

俺はIT通でもなければ、とりたてて熱心なマック信者でもないけど、やはりスティーブ・ジョブズの死去にはある種の感慨を受けた。その刺激的、イノベーティブ的な生き方、生み出してきた商品群に、特に最近はまっていただけに残念だ。
最初にマックやスティーブ・ジョブズのことを知ったのは、会社入りたての昭和61年のこと。スティーブ・ジョブズが招聘して、結局追われることになるジョン・スカリーという人の自伝兼ビジネス書を読んだことがきっかけだった。それ以降、会社人生の中では、パソコンは常にWINDOWSであり、アップルやマックは、一部のITマニアや業界の人が使う特殊な世界の話しだった。
あるとき、ブログか何かでスティーブ・ジョブズの有名な2005年スタンフォード大学卒業式のスピーチ原稿を読んだ。以下がとても印象的だった。


Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma ―which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.


その頃は俺は40代半ばで、後半戦に突入した人生をどう生きるか、いろいろ自分なりに模索していた。そのセンチメントのなかで、自分の気持ちと直感に従う勇気を持て、本当にやりたいことは自分では分かっているはずだ、というメッセージは胸に響いた。
それ以降、マックは自分にとって親しみを持てる存在になり、iPodを知人からもらって使い出し、iPhoneを買ってそのポータブルコンピューター振りに手放せなくなり、ついには自宅パソコンをわざわざ不便になるにも係わらずマックに替えた。
そして先週日曜日、スティーブ・ジョブズの遺作となるiPhone4Sへの買い替えを予約してきた。
スティーブ・ジョブズに合掌。