スティーブ・ジョブズ II

スティーブ・ジョブズ II』読了。

スティーブ・ジョブズ II

スティーブ・ジョブズ II


後半は、ジョブズイノベーションの快進撃が続く、壮大な人生とビジネスの物語だ。反撃ののろしとなるiMacの投入、関係者全員に反対されたパソコン直営店のアップルストアの設置、iPodiTunesを起点としたデジタルハブという新たなビジネスモデルの創造と音楽業界への革命的インパクト、ピクサーを巡ってのディズニーとの壮絶な闘いと勝利、そしてiPhoneからiPadの開発と大成功、iCloudという次なるデジタルハブへの執念と実行。その途中途中でのガンとの壮絶なバトル、そして最終的な敗北。。
俺も使ったり観ているもの(iPhoneMacのPCやトイストーリーを筆頭とする一連のピクサーの映画)の誕生、制作の経緯や秘話が出てくることもあって、引き込まれるように読んでいった。
そしてこの痛烈苛烈な人物像(部品の納入が遅れそうになった供給会社にFucking Dickless Assholesという言葉を浴びせるような)、こういった人でなれけば上述の革命的な仕事はなし得なかっただろうと十分納得する。そういった人をトップに抱き、必死についていったアップルというアートとエンジニアリングが交差する企業に改めて感銘を受けた。
本書に、デジタル革命の次なる段階を予見し、推進したのがほかの誰かではなくジョブズだった理由として、以下挙げている。

  1. 常に人間性と技術の交差点に立っていたこと、すなわち創造的なアートの世界のモノを優れたエンジニアリングで結び付けたこと
  2. 完璧主義者であり、ハードウェアからソフトウェア、コンテンツ、マーケティングにいたるまで、製品のありとあらゆる側面を一体化しなければ気がすまなかったこと
  3. シンプルを追求したこと
  4. この新しいビジョンに全財産を賭ける意気込みであったこと

これらは俺の仕事的にも、「複眼で物事を見ること」、「安易な妥協はしないこと」、「考えあぐねたら物事をシンプルに考え直すこと」「新たなビジョン構築には反対勢力が巨大、でも自分のすべてを賭けて取り組むこと」といった文脈に置き換えると腹に落ちる。いろいろな場面でイノベーションが求められている。俺は俺で出来るイノベーションに邁進しようと、とても勇気をもらった本であった。