イシューからはじめよ

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

またまた読み応えがある本が出たものだ。ツールやテクニックではなく、本当に価値のあるアウトプットを生み出すにはどうしたらよいか、優れた知的生産の本質は何なのかを具体的に指南する、平成版、知的生産の技術である。

  • 「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること。「考える」=「答えが出る」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること。この2つ、似た顔をしているが実はまったく違う。
  • 「バリューのある仕事」とは何か。「バリューの本質」は2つの軸から成り立っている。「イシュー度」と「解の質」だ。「イシュー度」の低い問題にどれだけたくさん取り組んで必死に解を出したところで、最終的なバリューは上がらず、疲弊していくだけ。このアプローチが「犬の道」で、絶対にやってはならない。
  • 「イシュー度」を上げ、そののちに「解の質」を上げていく。つまりは「犬の道」とは反対のアプローチを採ること。徹底してビジネス、研究活動の対象を意味のあること、つまりは「イシュー度」の高い問題に絞る。
  • 良いイシューの3条件。本質的な選択肢である=それに答えが出るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与える。深い仮説がある=「ここまでスタンスをとるのか」というところまで一気に踏み込んでいる。答えを出せる=「重要であっても答えを出せない問題」というのは世の中にいくらでもある。


このあと、具体的なアウトプットの出し方の手順を詳述しているが、仕事のみならず、人生そのものに使える考え方だと思った。白黒つけなければならないイシュー度の高い案件を見極め、それに自分なりの視点、洞察を入れて答えを出していく。
現在の俺にとって、イシュー度の高いものは、プライベートでは娘の高校受験合格支援、通訳案内士2次試験合格、そして実は足元の仕事で、イシュー度のとても高い案件に巡り会っている感じがしている。以前、「ストーリーとしての競争戦略」に従って中期計画の骨子を作ったが、今回もこの本の指南に従って、取り組んで行こうと思っている。